『妖怪保護活動家・氷室忍(5)【妖怪・ラーメン次郎】』第5章
妖怪保護活動家・氷室忍が、友人から妖怪・ラーメン次郎を追い出したついでに仮説を披露するの巻
第5章 仮説
氷室はハルカに説明した。「私はそう信じています。世界各地で発生するなら、私たちのような一市民は、もうあきらめるしかありません。日本各地で発生するなら、政府及びその諸機関が懸命に究明するでしょう。しかし、東三河だけで発生したので、結局、愛知県警の妖怪対策課による退治という対症療法で、解決したような雰囲気になっています。」
「氷室さんは、原因の究明が不十分だと考えているんですね。」
ハルカはコーヒーを飲みながら言った。
座敷わらしはミルクをおいしそうに飲みながら、他の客たちを観察していた。
氷室もコーヒーを飲みながら答えた。
「はい。私は仮説を2つ考えました。1つ目は、東三河の住民の霊能力が覚醒したという仮説です。2つ目は、東三河の土地で妖怪が発生しやすい場のようなものが形成されたという仮説です。」
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