『永遠の旅人・神無月京介(1)【米俵リョウコ編】』第6章
国民的な熟女優・米俵リョウコが夢うつつの状態で、異世界の旅人・神無月京介と出会うの巻
第6章 後日談
私は神無月京介。夢幻郷と現実世界を永遠に行き来する旅人。夢幻郷で米俵リョウコと出会ってから、月日は流れた。
あれ以来、夢幻郷でも現実世界でも、彼女と出会うことはなかった。
最初から期待はしていなかった。
夢幻郷を永遠に旅する者は、現実の世界を生きる人々とは違う人生を生きているのだ。
彼女は私のことを、夢幻郷のことなど忘れて、現実世界で健やかに、幸せに生きてくれればよいと願っている。
ただ一つ心配なことは、彼女の無意識が夢幻郷への憧憬を持ち続けることである。
夢幻郷への無意識の憧憬が、彼女をおかしな行動に駆り立てはしないか。
夢幻郷への道を開く方法は、私にもうまく説明できない。
感覚的に捉えているだけなので、その理屈を言葉で表現することはできない。
彼女が無意識に、やみくもに夢幻郷への道を追い求め、おかしな酒や薬に手を出したりしないか少し心配している。
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