『スライムハンター・東一郎(4)【科学者との対決】』第6章
鬼畜不倫で全てを失った人気俳優・東一郎が、南信州の山小屋で狂気の科学者と対決するの巻
第6章 科学者の末路
東は慌てて木村に言った。「どうしましょう?古田をスライムから助け出さないと・・・」
木村は冷酷に言った。
「いえ、スライムが古田を分解・消化してから、あのスライムを始末してください。古田を生け捕りにしても、凄惨な拷問にかけられた後で、処刑されるだけです。ここでスライムに分解されたほうが、まだマシな死に方でしょう。」
東は驚いて言った。
「拷問って・・・」
木村は話を続けた。
「古田の単独犯かどうか、徹底的に調査しなければならないんです、本当は。外国の諜報員や工作員が関与している可能性もありますから。そして、そういった疑いが晴れたとしても、別班も研究所も、彼を生かしておくわけにはいかないんです。」
古田が完全に分解されてから、東はスライムのコアを撃ち抜いた。
スライムは倒れて液体になってしまった。
東は悲しそうな顔で木村に言った。
「木村さん、引退したいって言ってましたけど、ようやくその真意が分かりました。」
「・・・・・・」
木村は黙って、古田を飲み込んだスライムだった液体を見つめていた。
・『スライムハンター・東一郎(4)【科学者との対決】』目次に戻る。