『永遠の旅人・神無月京介(2)【大島ルリコ編】』第3章
大人気アイドルだった大島ルリコが霧深い山中で、異世界の旅人・神無月京介に救出されるの巻
第3章 大熊との戦闘
ルリコは、その男を見捨てて逃げるのを躊躇した。「でも、あなたは・・・」
「私は大丈夫です。しかし、あなたはすぐに逃げたほうがいい。この場に留まっていたら、命の保証はできませんよ。」
「あっ、ありがとうございます。」
ルリコはそう言うと、全速力で逃げ出した。
ルリコは走りながら思った。
(助かった。でも、あの人の、命の恩人の名前さえ聞いていなかった。今はとにかく走って、走って、走って・・・命が助かったら、みんなに知らせて・・・警察とか消防とかに連絡して、あの人を助けないと・・・)
神無月京介は大熊たちを見やりながら、考えていた。
(こんな夢幻郷の山奥で、現実世界からの迷い人に出くわすとは、夢にも思わなかった。)
ルリコの精神は、偶然にも山中に生じたある種のエネルギースポットに共鳴・感応し、夢幻郷の山中に迷い込んでしまったのだ。
大熊たちがじりじりと近付いてきた。
そして、一頭の大熊が京介に突進してきた。
京介は、まばゆい閃光と大きな音をとどろかせて霊丸を発射した。
霊丸は突進してき大熊の頭に命中し、大熊は粉々になって霧散した。
他の大熊たちはこれを見て驚き、四方八方に逃げていった。
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