『スライムハンター・東一郎(1)【南信州の山】』第4章
『鬼畜不倫で全てを失った人気俳優・東一郎が、南信州の山でスライムハンターとしてスカウトされるの巻』
第4章 エージェントの提案
東は憮然として木村に言った。「じゃあ、どうするんですか。アレをどこかに埋めて、何もなかったことにするんですか?」
「それで済めば話は簡単なんですが。実は、研究所から逃げたのは1体だけではないんです。」
「えっ、あんなのがたくさん逃げ出して、そこらをうろうろしてるんですか?」
木村はため息をついて言った。
「はい、そうなんです。それで東さんに提案があります。別班と契約してスライム処理のお手伝いをしていただけませんか?」
東は少し考えてから木村に言った。
「その提案、断れないやつですよね。」
木村は微笑みながら言った。
「さすが東さん、察しがいいですね。断るという選択肢はありません。ご安心ください、私がしっかりサポートしますから。それに、報酬もはずみますよ。週に1回、名古屋の風俗で遊ぶくらいの生活はできるでしょう。」
東は苦笑いして言った。
「分かりました、ご協力いたします。ご存知のとおり、私は今、本業の方が全く振るわない状況でして。」
木村が握手を求めて、東に右手を差し出しながら言った。
「契約成立ですね。いやぁ、まさかあの人気俳優の東さんと一緒に働くことができるなんて、とても光栄です!」
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