『スライムハンター・東一郎(1)【南信州の山】』第5章
『鬼畜不倫で全てを失った人気俳優・東一郎が、南信州の山でスライムハンターとしてスカウトされるの巻』
第5章 夜の山小屋
東は木村と別れてから、山小屋に戻って火をおこした。淹れたてのコーヒーを飲みながら、物思いにふける。
毎日のルーティンである。
(今日はいろいろなことがあったなぁ。これからは鹿や猪ではなく、スライムを撃つのか。木村とか言ったっけ、あの人を信用して大丈夫なんだろうか。しかし、いずれにせよ貴重な現金収入の手段だからなぁ。)
もうそろそろ、晩飯の支度をしなければならない。
東は残っている食材を確認しながら、思うのだった。
(俺はこんな状況でも生きていけるけど、アンナは元気にやっているんだろうか。いや・・・未練だな。)
東は一人、寂しくつぶやいた。
「今日はジビエカレーを作るぞ!」
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