『妖怪保護活動家・氷室忍(5)【妖怪・ラーメン次郎】』第1章
妖怪保護活動家・氷室忍が、友人から妖怪・ラーメン次郎を追い出したついでに仮説を披露するの巻
第1章 ラーメン次郎
氷室が豊橋の駅前通りを歩いていると、座敷わらしを連れた早瀬ハルカと出会った。ハルカは心なしか少し太ったように見える。
座敷わらしは少し心配そうな顔をしている。
「やぁ、ハルカさん、お散歩ですか?」
氷室が話しかけると、ハルカが笑顔で答えた。
「あぁ、氷室さん、こんにちは。昼食を食べてきたんですよ。」
「二郎系ラーメンですね。」
氷室が言うと、ハルカは少し驚いて言った。
「えっ、よく分かりましたね。実は、最近、はまってるんです。」
「背中にラーメン次郎が取り憑いていますよ。」
「えっ・・・なんですか、それ。」
氷室は右手に霊力をためて、ハルカの背中を少し強く叩いた。
すると、妖怪・ラーメン次郎がハルカの背中から跳び下りて、一目散にどこかへ逃げていった。
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