『妖怪保護活動家・氷室忍(1)【妖怪・センベロ】』第3章
妖怪保護活動家・氷室忍が、豊橋の広小路通りで妖怪・センベロを保護するの巻
第3章 元警察官・氷室忍
ハルカに抱きついたのは妖怪だった。ハルカは驚いて絶叫した。「キャーーーッ!!」
近くにいた人が数人振り向いた。
妖怪事件の難しいところは、妖怪が見える人と、全く見えない人がいることである。
その時、近くにいた男が走ってきた。
「大丈夫ですか!いまそいつを封印します。大丈夫です、落ち着いてください。」
男はポケットから小さな黒い瓶を取り出し、わけの分からない呪文を唱え始めた。
すると、ハルカに抱きついていた妖怪はその黒い瓶に吸い込まれてしまった。
「回収できました。ご協力、感謝いたします。」
男は瓶の蓋を締めながら、ハルカに礼を言った。
「あ・・・ありがとうございます。け・・・警察の方ですか。」
「いえ、もう警察官ではありません。元警察官です。申し遅れました。私、氷室忍と申します。」
「いえ、こちらこそ失礼しました。私、早瀬ハルカと申します。」
「あーーっ、あの早瀬ハルカさんですか、テレビで見たことあります。」
・『妖怪保護活動家・氷室忍(1)【妖怪・センベロ】』目次に戻る。