『妖怪保護活動家・氷室忍(4)【妖魔・サキュバス】』第1章
妖怪保護活動家・氷室忍が、ヒルトン名古屋で妖魔・サキュバスを退治し損ねるの巻
第1章 市議会議員
氷室は少し緊張していた。今、氷室が話をしているのは、名古屋の市議会議員・小早川秀明氏である。
数週間前に小早川氏の秘書から連絡があった。
妖怪事件の相談に乗ってほしいとのこと。
今日は午前中に名鉄電車で名古屋まで来て、昼食後に小早川氏の事務所を訪れた。
形式的なあいさつを済ませた後に、氷室は切り出した。
「妖怪事件について相談があるとお聞きしたのですが、一体どのような事件なんでしょうか?」
「はい、少々お恥ずかしい話なので・・・警察の妖怪対策課に相談するわけにもいかないのです。」
小早川氏は婉曲な表現で少しずつ情報を開示した。
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