『永遠の旅人・神無月京介(3)【吉川サオリ編】』第3章
国民的な女性格闘家・吉川サオリが修行中に、異世界の旅人・神無月京介と共闘するの巻
第3章 忠告
サオリは京介に尋ねた。「阿修羅堂って、なにか仏像とか、そういうものが置いてある寺院みたいなものですか?」
京介は笑いながら言った。
「ハハハッ。いや、失礼しました。あなたは阿修羅堂のことを知らないのだから、勘違いするのも仕方ありませんね。阿修羅堂は、武芸者たちが命をかけて修行する道場みたいなものですよ。あなたは格闘家だから、フラフラとここに引き寄せられてしまったんです。」
「修行のための道場ですか。武芸者たちが命をかけて・・・なんだか興味が湧いてきました。」
京介は真面目な顔でサオリに忠告した。
「中には、史上最強の阿修羅がいます。あなたでも全く太刀打ちできないほどの猛者です。入らないほうがいいですよ。」
「そうなんですか・・・」
入るなと言われると、入りたくなるのが人の性である。
しかも、この忠告者は、格闘技について何も知らない素人のようである。
「でも、ちょっと覗くだけなら大丈夫ですよね?」
京介はあきれたような顔で言った。
「はぁ・・・まぁ、ちょっと覗くだけなら大丈夫だと思いますけど・・・」
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