『スライムハンター・東一郎(3)【東三河の街】』第2章
『鬼畜不倫で全てを失った人気俳優・東一郎が、東三河の街の居酒屋で別班のエージェントから真相(?)を聞くの巻』
第2章 研究所で何があったのか?
東が真面目な顔で木村に聞いた。「自衛隊の研究所からスライムが脱走したという話しか聞いてませんけど、なんでそんなことが起こったんですか?」
木村は少し思案していたが、やがて口を開いた。
「まぁ、東さんになら話してもいいでしょう。もうあなたは、この件の関係者みたいなもんですから。簡潔に言うと、研究開発チームのリーダーがおかしくなってしまったんです。」
「おかしくなってしまった?」
東が聞き返すと、木村は話を続けた。
「真面目な男で、子どもの頃から勉強ばかりしてきたような人物です。大学で化学や生物学を研究し、大学院を卒業後、研究所に入ったんです。」
「そんな真面目な男が、おかしくなってしまったんですか?」
「えぇ、仕事のストレスとか、私生活でのトラブルとか、いろいろ抱え込んでいたようです。発狂した彼はとんでもないことを始めたんです。」
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