『妖怪保護活動家・氷室忍(4)【妖魔・サキュバス】』第2章
妖怪保護活動家・氷室忍が、ヒルトン名古屋で妖魔・サキュバスを退治し損ねるの巻
第2章 依頼内容
小早川氏の話を要約すると、以下のとおりである。小早川氏は1年前から女の妖魔と男女の関係にある。
その妖魔はいわゆるサキュバスであった。
小早川氏は毎晩、精気を吸われ続けており、このままでは命の危険さえある。
しかし、彼女を殺してしまうのは忍びないので、封印してくれないかと。
氷室は冷静に言った。
「今回の場合、封印はできません。私はこれでも、元警察官です。人命にかかわる妖怪事件の場合、退治するしか方法はありません。封印したとしても、その危険な妖魔を閉じ込めた瓶を半永久的に責任を持って管理できる人間なんて、この世にいないでしょう。」
「そうですか・・・残念です。」
小早川氏は肩を落とした。
改めて小早川氏の様子を観察してみると、やせ細って生気が感じられない。
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