『永遠の旅人・神無月京介(3)【吉川サオリ編】』第1章
国民的な女性格闘家・吉川サオリが修行中に、異世界の旅人・神無月京介と共闘するの巻
第1章 山での修行
サオリは今日もトレーニングに余念がない。今月は中部地方にある山小屋にこもり、一人で孤独なトレーニングを続けていた。
今日も早朝から険しい山道を駆け巡り、その後は滝に打たれながら瞑想をしていた。
それが終わったら、山小屋に戻って朝食をとるつもりだった。
サオリは滝つぼのある浅い池から上がると、体を拭いてからジャージを着た。
しかし、山小屋まで歩いて戻る途中、急に頭が痛くなった。
(少し無理をし過ぎたのかもしれない。)
激しい修行で身体を鍛えるのはよいことだけれど、血管や内臓は普通の人間のそれと変わりない。
もうアラフォーなのだから、そういう健康にも気を使わなければいけない。
サオリは大きな石の上に腰かけて、そんなことを漫然と考えていた。
ふと見上げると、近くに年季の入った木造の建物があった。
(たまにはあんな建物でも見て、歴史、文化や伝統に思いを馳せてみようかな。)
サオリは立ち上がり、建物へ続く小道を登っていった。
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