『妖怪保護活動家・氷室忍(1)【妖怪・センベロ】』第4章
妖怪保護活動家・氷室忍が、豊橋の広小路通りで妖怪・センベロを保護するの巻
第4章 妖怪・センベロ
ハルカは氷室に聞いた。「あのー、さっきの妖怪は何だったんですか?」
氷室は答えた。
「あれは妖怪・センベロです。居酒屋に入ってはお店の酒を飲み尽くし、千円だけ置いて立ち去ってしまう、少し迷惑な妖怪です。ホストクラブに勤める友人から被害を相談され、数週間前から探していたんです。」
「そうだったんですか。氷室さんは警察を退職されたのに、妖怪退治を続けているんですね。」
氷室は否定した。
「違います、妖怪退治ではありません。逆に、保護しているんです。私は愛知県警妖怪対策課の警察官として、いろいろな妖怪を退治してきました。しかし、いつしか警察のそんな活動に疑問を抱くようになりました。妖怪たちは、命を奪われるほどの悪事をしているのかと・・・」
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