『妖怪保護活動家・氷室忍(5)【妖怪・ラーメン次郎】』第6章
妖怪保護活動家・氷室忍が、友人から妖怪・ラーメン次郎を追い出したついでに仮説を披露するの巻
第6章 恐ろしい話
ハルカは、氷室が妖怪を別の場所で放流する理由が分かった。「それで、妖怪を別の場所で放流したんですか?」
「はい、妖怪を別の場所で放流すると、その土地で妖怪事件が起こります。これで1つ目の仮説は一応、否定されました。ですから、私は、妖怪が発生しやすい場のようなものが形成されたと考えているんです。」
氷室の仮説が興味深かったので、ハルカは質問した。
「なぜそんな場が形成されたんでしょうか?」
氷室はため息をついて答えた。
「それは、まだ分かりません。何かきっかけとなるような、事件か事故があったのかも知れません。これもまだ、仮説に過ぎませんが・・・ハルカさん、今日話したことは他言無用ですよ。人に話せば陰謀論者扱いされるでしょう。万が一、恐ろしい事件や事故が原因なら、かかわらない方が身のためです。」
「はい、分かりました。」
ハルカは、なにか恐ろしい話を聞いたような気がして、少し背筋が寒くなった。
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