『妖怪保護活動家・氷室忍(3)【妖怪・卵かけババァ】』第1章
妖怪保護活動家・氷室忍が、もっくる新城で妖怪・卵かけババァを退治するの巻
第1章 まちなか図書館
早瀬ハルカは豊橋のまちなか図書館で本を読んでいた。そこに氷室忍が、かわいい小さな女の子を連れてやって来た。
「やぁ、ハルカさんじゃないですか。」
「あれ、氷室さん、こんにちは。かわいい女の子ですね、氷室さんの娘さんですか?」
「いえ、違います。この子は座敷わらしです。」
「座敷わらし?」
ハルカは、きょとんとした表情で女の子を見つめた。
「先日、新城市内の小学校に出没する妖怪の調査を知人から依頼されまして。それがこの子だったんです。」
「氷室さんは妖怪を瓶に封印して、どこかに放流するのがポリシーじゃなかったんですか?」
ハルカが聞くと、氷室は少し困ったような表情で答えた。
「えぇ、実はこの子も瓶に封印して、名古屋に行ったときに中村区の大門で、他の妖怪ともども放流したんです。」
「大門・・・なんでまた大門なんですか?」
「意味はありません。その近辺で風俗店を経営する知人と居酒屋で飲んで、その帰りについでに放流したんです。」
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