『エスパー・伊藤六郎(6)【光の教会編】』第1章
エスパー・伊藤六郎が伊良湖岬にある光の教会で、大須のパソコンショップの仕事を斡旋されるの巻
第1章 伊良湖岬
伊藤六郎は今、伊良湖岬の近くにある光の教会に来ていた。教会のパンフレットに載っていた写真のとおり、美しい風景である。
教会の門で呼び鈴を鳴らすと、受付係の人が出てきた。
「こんにちは、私、伊藤六郎と申します。こちらの教会の葦根キョウコさんから紹介されて、初めて伺いました。」
伊藤がそう言うと、受付係の人は微笑んで言った。
「そうですか。ようこそ、どうぞこちらへ。」
伊藤は応接室に通された。ソファーに座って待っていると、一人の女性が入室してきた。
「こんにちは。光の教会へようこそ。私、外務担当理事の本借家ユイカです。」
伊藤は彼女に言った。
「突然訪問して、申し訳ありません。私、伊藤六郎と申します。先日、名古屋で葦根さんにお会いしまして、こちらの教会のパンフレットをいただきまして・・・」
ユイカは微笑んで言った。
「キョウコさんからお話は伺っております。特別な能力をお持ちで、そのせいで大変ご苦労されてきたようですね。お気の毒です。」
・『エスパー・伊藤六郎(6)【光の教会編】』目次に戻る。