『エスパー・伊藤六郎(5)【橋下カンナ編】』第6章
エスパー・伊藤六郎が名古屋城周辺で、国民的な美人タレント・橋下カンナに襲われるの巻
第6章 トンカツ屋
伊藤は栄でトンカツ定食を食べていた。食べ終わった後に、教会のパンフレットを読んでいた。(この教会は敵なのか?味方なのか?ハルサメ研究所とは関係ないのか?研究所の連中は、この教会のことを知らないのか??)
伊藤はいろいろ考えていたが、分からないことだらけだった。
教会のパンフレットには、美しい海が見える岬の写真が載っていた。伊藤は一人、静かにつぶやいた。
「この教会は、こんな美しい場所にあるのかな?」
トンカツ屋を出た伊藤は周囲を見回した。
(いつまでもこんな逃亡生活をするくらいなら、この教会に匿ってもらった方が・・・)
伊藤は首を振ってつぶやいた。
「いや、自分の運命を、こんな得体の知れないものに委ねるわけには・・・」
そう言うと彼は、街路樹の枯れ葉舞う雑踏を無言で歩き続けた。
・『エスパー・伊藤六郎(5)【橋下カンナ編】』目次に戻る。