『魔獣送還師・柊慎一郎(2)【奄海ユウキ編】』第1章
魔獣送還師・柊慎一郎が女優・奄海ユウキの前で、蒲郡の竹島に出没した巨大タコを送還するの巻
第1章 竹島
奄海ユウキは、元宝塚トップスターの女優である。彼女は今、蒲郡を旅行している。
昨日、名古屋の友人と久しぶりに再会し、その後、名古屋のホテルで一泊した。
今日は、愛知県内の海が見える街へ、一人で行こうと決めていた。
日間賀島に行こうか、蒲郡の竹島に行こうか、迷ったけれど、蒲郡まで足を伸ばすことにしたのである。
彼女は竹島の観光スポットを一通り巡り、海岸で海を眺めていた。
「きれいな海ねぇ。」
彼女以外にも観光客はいたけれど、平日なのでそんなに多くはなかった。
遠く海の向こうから、何か丸い物体がこちらに泳いでくるのが見えた。
「あれは何だろう?」
ユウキはずっとその物体を見つめていた。
それが近くまで来た時、意外と大きいことが分かった。
「えっ?!クジラかしら・・・こんな海岸近くまで?」
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