『エスパー・伊藤六郎(6)【光の教会編】』第6章
エスパー・伊藤六郎が伊良湖岬にある光の教会で、大須のパソコンショップの仕事を斡旋されるの巻
第6章 人類の革新
ハルナがPCパラダイスで働き始めてから数か月が経った。伊藤とハルナは時々、休日に会って話をするようになった。
今日は休日で、二人はモスバーガーでハンバーガーを食べながら話をしていた。伊藤はハルナに聞いた。
「ハルナさんになかなか聞くことができなかったんですけど・・・ハルナさんも能力者なんですか?」
ハルナは彼に答えた。
「はい。でも周囲には秘密にしています。」
伊藤は質問を続けた。
「ハルナさんは、ハルサメ研究所のことを知っていますか?」
ハルナは黙り込み、しばらく何か思案していたが、やがて口を開いた。
「そういうお話は、今は慎みましょう。ただ、教会が説く人類の革新が、もうすぐやって来る予感がします。私も、その深い意味は分からないんですけど。」
伊藤はハルナの回答を聞いて、狐につままれたような感じがした。彼は静かにつぶやいた。
「人類の革新・・・精神世界の到来ですか。」
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