『スライムハンター・東一郎(5)【南信州の居酒屋】』第3章
鬼畜不倫で全てを失った人気俳優・東一郎が、南信州の居酒屋で別班のエージェントと打ち上げに興じるの巻
第3章 疑問
東がおもむろに木村に質問した。「でも、案外あっけなく終わりましたね。狂気の科学者がおかしな研究の果てに野に放ったと聞いたので、もっと大変なことになるんじゃないかと覚悟したんですが。」
木村が熱燗を飲みながら東に言った。
「まぁ、素人が聞いたってナンセンスだと分かるような研究ですよ。しかし、それも結果論、終わってから落ち着いて考えてみればって話ですけどね。」
東がさらに質問した。
「本当に、あれが最後のやつなんですよね?」
木村は真面目な顔で答えた。
「えぇ、あれが最後です。組織から私に提供された情報によるとですけどね。私は一職員にすぎませんから、それを信じるしかありません。」
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