『魔獣送還師・柊慎一郎(2)【奄海ユウキ編】』第5章
魔獣送還師・柊慎一郎が女優・奄海ユウキの前で、蒲郡の竹島に出没した巨大タコを送還するの巻
第5章 魔獣の謎
ユウキは柊の回答に少しがっかりしたけれど、そんな素振りは見せないように言った。「そうだったんですか。でも、あれが魔獣だってことは確かなんですよね?」
柊はユウキに答えた。
「えぇ、あれは普通の生物ではありませんよ。尋常ならざる妖気を放っていますからね。いろいろ仮説を考えたりしてはいるんですが、どう調査を進めたらいいのか・・・見当がつきません。」
ユウキは柊に質問した。
「どんな仮説ですか?」
柊は真面目な顔で答えた。
「誰かが召喚魔法を開発して、魔獣を召喚したのか。どこかに魔界トンネルができて、そこから魔獣がやって来るのか。逆に、誰かが魔界に行く方法を開発して、魔界で捕獲した魔獣を連れてくるのか。あるいは、誰かが普通の生物から魔獣を作り出す方法を開発したのか。・・・仮説だけなら、いくらでもひねり出せますよ。」
ユウキは、魔獣騒動は恐ろしいけれど、いろいろな仮説を考えるのはおもしろいと思った。
「どれもおもしろ仮説ですね!何か分かったら教えてくださいね。」
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