『魔獣送還師・柊慎一郎(3)【酒本フユミ編】』第3章
魔獣送還師・柊慎一郎が演歌歌手・酒本フユミの前で、豊根に出没した3頭の巨大オオカミを送還するの巻
第3章 魔獣送還師
フユミが恐怖のあまり硬直していると、後ろから誰かが歩いてきて彼女に声をかけた。「どうしましたか?」
男の声に少しほっとしたフユミは、彼に言った。
「すっごく大きなオオカミが・・・3頭もいるんです!」
男は彼女に言った。
「あぁ、あれは魔獣だな。分かりました。あなたは少し下がっていてください。」
フユミは言われたとおり、少し離れて様子を見ていた。
男はなにか不思議な呪文を唱えている。
「送還魔法、発動、一・二・三・フィニッシュ!」
男が呪文を唱えると、3頭のオオカミたちは同時に動きを止めた。
その後、それぞれの足下に穴が開いて、3頭同時にズブズブと穴に沈んでいった。
やがてオオカミたちが完全に地面に沈んでしまうと、3つの穴は消滅してしまった。
フユミはイリュージョンでも見ているような気分になり、放心していた。
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