『幽玄鉄道の夜(2)【浜名湖の人食い大うなぎ】』第2章
国民的な人気アーティスト・柴桜コウが、幽玄鉄道の旅人・草野崇と浜名湖で人食い大うなぎを目撃するの巻
第2章 浜名湖
草野はコウに言った。「あぁ、失礼しました。私は草野崇と申します。父から譲り受けた乗車券を使い、こうして幽玄鉄道で旅を楽しんでいるんです。」
コウはクリッとした美しい瞳で、草野を見つめながら言った。
「へぇー、すっごくうらやましい。こんな素敵な鉄道で旅ができるなんて。」
草野は不思議に思い、コウに質問した。
「コウさんもこうして、幽玄鉄道に乗っているじゃあないですか?」
コウは肩をすくめて答えた。
「私はすぐに降りないといけないんです。もうすぐ浜松ですよね?」
「浜松でお仕事ですか?」
草野が聞くと、コウは答えた。
「プライベートで浜名湖に行くんです。」
「浜名湖ですか、いいですねぇ。私も浜名湖で降りて、久しぶりにうなぎでも食べようかな。」
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