『エスパー・伊藤六郎(5)【橋下カンナ編】』第1章
エスパー・伊藤六郎が名古屋城周辺で、国民的な美人タレント・橋下カンナに襲われるの巻
第1章 広瀬川姉妹
広瀬川姉妹は、名古屋市役所周辺の道路を歩いていた。名古屋市役所で用事を済ませ、これから地下鉄に乗るところである。妹のスズが姉のアリスに言った。
「お姉様、あのホテルで、全裸の監督が映画を撮影しているわ。」
アリスがスズをたしなめた。
「スズ、街中で人の心を読んではダメよ。あなたの精神が持たないわ。」
スズがアリスに答えた。
「分かっているわ、お姉様。でも、なんだかとてもいやらしい内容の映画みたい。」
アリスはあきれて言った。
「それは映画じゃなくて、きっとアダルトビデオの撮影よ。そんなことばかりリーディングして・・・このままではあなた、とてもいやらしい女になってしまうわ。」
スズが少し怒ってアリスに反論した。
「そんなことないわ、お姉様。私は大丈夫。でも、世の中の男性のほとんどは、そんなことばっかり考えているみたい。」
アリスはスズに言った。
「あなたがリーディングした男性が、たまたまそういう人だったのよ。」
スズが冷静に答えた。
「違うわ、お姉様。統計的に明らかな事実なの。あれっ、向こうの方向からは心の声が聞こえないわ。誰もいないのかな?」
アリスは不思議に思って言った。
「そんなわけないでしょ。こんな街の中で、誰もいないなんて・・・」
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