『幽玄鉄道の夜(5)【のんほいパークの人食い恐竜】』第5章
国民的な人気女優・吉中ユリコが、幽玄鉄道の旅人・草野崇とのんほいパークで人食い恐竜を目撃するの巻
第5章 人食い恐竜
草野とユリコは走って逃げた。振り返って後ろを見ると、ビルのように大きな恐竜たちが、観光客をくわえてはバリバリ食べているようである。
「草野さん、恐竜が人間を食べてます!」
ユリコが叫んだ。草野も大声で言った。
「とにかく逃げましょう!前だけ見て走ってください!!」
二人は無我夢中で走った。
二人は二川駅にたどり着くと、急いで幽玄鉄道に乗り込んだ。
座席に座り、しばらくの間、乱れた息を整えていた。
ユリコは草野に聞いた。
「あの恐竜は一体なんなんですか?突然、あんな恐ろしいものが現れるなんて。」
草野はユリコに向かい、冷静に答えた。
「これは私の推測、個人的な見解ですから他言無用ですよ。豊橋市の秘密研究機関で、恐竜の遺伝子といろいろな動物の遺伝子を組み合わせて、おそろしい生物を研究開発しているという噂があるんです。」
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