『果てしなきスターレット(3)【白谷トモカ編】』第5章
人気女優・白谷トモカがサンテパルクたはらで、純白のスターレットによるひき逃げ事件を目撃するの巻
第5章 逃避行
マイは舌打ちしてつぶやいた。「ちっ、気付かれたか。」
彼女はハンズフリーで本部に連絡した。
「加賀美に気付かれました。彼は人質をスターレットに乗せて逃亡しました。スターレットの移動先を解析してください。」
十分に加速したスターレットは前方から後方へ、まばゆい光に包まれた。
ドォオオーーーーン!!!
ものすごい音が響き渡り、スターレットは異次元空間に移動した。加賀美がトモカに聞いた。
「この車はタイムマシンなんです。今度はどこに行こうかな・・・トモカさん、なにか要望はありますか?」
トモカは、車の窓から見える異次元空間にただただ驚愕していたが、少し落ち着いてから彼の質問に答えた。
「えっ・・・あのー・・・そうですね、江戸時代に行ってみたいです。」
加賀美は楽しそうに答えた。
「分かりました!江戸時代ですか、いいですねぇ。」
トモカは自分より年下の男の横顔を見つめながら、なぜか胸がときめいていた。
(江戸時代かぁ・・・じゃあ、着物を着ないとね、ウフフ。)
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