『幽玄鉄道の夜(7)【東栄町の人食い大イノシシ】』第1章
神スイングの人気タレント・稲妻アミが、幽玄鉄道の旅人・草野崇と東栄町で人食い大イノシシを目撃するの巻
第1章 稲妻アミ
草野崇は、列車の車窓から景色を眺めていた。幽玄鉄道は無限であるけれど、人の旅は有限である。しかし、彼の旅はまだ終わらない。
月明かりに照らされて、美しく幻想的な景色は、いつまでも、どこまで、無限に続くように思われた。
ふと気付くと、向かいの座席に女性が座っていた。草野は彼女の顔を見て驚いた。
彼女は、神スイングで有名な人気タレント・稲妻アミだった。
「あぁ、稲妻アミさんですね。すいません、ぼんやりとしていたので気付きませんでした。」
草野が意味もなく謝ると、アミはきょとんとした表情で言った。
「いえ、大丈夫ですよ。」
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