『エスパー・伊藤六郎(2)【ユウコリン編】』第6章
エスパー・伊藤六郎が名古屋の広小路通りで、不思議ちゃん系アイドル・ユウコリンと出会うの巻
第6章 逃亡者
アリスが伊藤にお礼を言った。「ありがとう。まさか、研究所からの逃亡者に助けられるなんて。」
伊藤はアリスとスズに言った。
「私は普通の人間として生活したいだけなんです。どうか・・・」
スズは伊藤に言った。
「あなたの心は読めました。安心してください。あなたに会ったこと、今日の出来事は誰にも話しません。ユウコリンのこと以外は。」
アリスは伊藤に言った。
「そうね、あなたには借りがあるからね。」
伊藤は二人に言った。
「ありがとう。」
そう言うと、伊藤は足早に去っていった。彼はハルサメ研究所からの逃亡者なのだ。
彼は逃亡を続ける。いつか、安心して普通の生活ができる日が来ることを夢見て。
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