『幽玄鉄道の夜(1)【豊川稲荷の人食い大鬼】』第6章
国民的な人気女優・長沼マサミが、幽玄鉄道の旅人・草野崇と豊川稲荷で人食い大鬼を目撃するの巻
第6章 次の駅へ
しばらくすると列車が動き出した。「私、豊川駅前のホテルで一泊するつもりだったんですけど、次の駅で降りてホテルを探すことにします。」
草野はマサミに言った。
「その方がいいと思いますよ。私はこのまま旅を続けます。また幽玄鉄道でお会いすることがあるかもしれませんね。」
草野は列車の窓から夜景を眺めていた。
月明かりのおかげで夜とは思えないほど明るく、幻想的な風景である。
この美しい景色を眺めながら、いつまでも、どこまでも、旅を続けたいと思うのであった。
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