『エスパー・伊藤六郎(3)【弘末リョウコ編】』第2章
エスパー・伊藤六郎が新東名高速道路の事故で、国民的な人気女優・弘末リョウコと出会うの巻
第2章 エスパー伊藤
リョウコは追手の能力者たちに対して啖呵を切った。「あんたたち!死にたくなかったら、とっととどっかに失せな!!」
覆面の能力者たちは無言である。彼らは右手を彼女に向け、テレキネシスで攻撃した。
多勢に無勢、万事休すである。彼女は敗北と死を覚悟した。
その瞬間、彼らの方が気を失い倒れてしまった。後ろから誰かがリョウコの方へ歩いてきた。
事故に巻き込まれて、車から降りて様子を見ていた男である。
男はリョウコに話しかけた。
「大丈夫ですか?」
リョウコは驚いて聞いた。
「あっ、あなたがやったの、これ?あなたも能力者なのね。」
男は彼女に答えた。
「驚かせてしまったようで申し訳ありません。私は研究所に所属していた能力者です。今は逃亡者ですが。あっ、申し遅れました。私、伊藤六郎と申します。」
・『エスパー・伊藤六郎(3)【弘末リョウコ編】』目次に戻る。