『魔獣送還師・柊慎一郎(3)【酒本フユミ編】』第6章
魔獣送還師・柊慎一郎が演歌歌手・酒本フユミの前で、豊根に出没した3頭の巨大オオカミを送還するの巻
第6章 豊根の旅館
フユミは柊と別れた後に、豊根の宿泊施設にチェックインした。豊根で一泊して、明日東京に帰るつもりである。
夕食を楽しんだ後に、フユミは一人でお酒を飲んでいた。
お酒を飲みながら、彼女はもの思いにふけっていた。
(魔獣の謎か・・・柊さん、もったいぶって教えてくれなかったわ。)
「確認したら、いろいろ教えてくれるんだってさ。」
フユミはそうつぶやきながら、自分より年下のあの男のことを思い出していた。
フユミの白い肌はお酒のせいか、少し赤くなっていた。
彼女の唇を彩る紅い口紅は、艷やかに妖しく光っていた。
・『魔獣送還師・柊慎一郎(3)【酒本フユミ編】』目次に戻る。