『妖怪保護活動家・氷室忍(6)【妖怪・オッパイ星人】』第2章
妖怪保護活動家・氷室忍が、鳳来寺山で妖怪・オッパイ星人を退治するの巻
第2章 海原龍山
氷室は妖怪の気配を感じた。「誰だ!」
氷室が叫ぶと、岩陰から人影が現れた。
「登山者がここに向かってくると思ったら、警察の関係者か。」
氷室はその男に見覚えがあった。
「あなたは・・・超常現象の研究者・海原龍山博士ではないですか。」
龍山は頷いて言った。
「いかにも、私は海原龍山である。お前たち妖怪対策課の警察官が妖怪と戦うことができるのも、私の研究成果のおかげであろう。」
氷室は龍山に言った。
「それに関しては感謝申し上げます。しかし、まさかあなたが妖怪の発生場に関与しているとは思いませんでしたよ。」
「お前に何が分かるというのだ。」
龍山は鷹揚に答えた。氷室は怯まずに追及した。
「あなたの体から漂う妖気で、大体のことは察しがつきます。言い訳は通用しませんよ。私はこれでも研究者の端くれです。同じ研究者の後輩めに、是非ともご教示いただけないでしょうか?」
龍山は氷室に言った。
「よかろう。」
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