『魔獣送還師・柊慎一郎(2)【奄海ユウキ編】』第2章
魔獣送還師・柊慎一郎が女優・奄海ユウキの前で、蒲郡の竹島に出没した巨大タコを送還するの巻
第2章 巨大タコ
その大きな丸い生物はタコだった。巨大タコが海岸に上陸すると、ものすごい水しぶきが上がった。
海岸で遊んでいた観光客たちが騒ぎ出した。
「きゃーーー!!」
巨大タコは海岸を歩きながら、周囲をキョロキョロ見回した。
土管のように太く大きな足が、クネクネ動いて海岸の砂を蹴り上げている。
ユウキは恐怖のあまり、身動きが取れずに立ち尽くしていた。
「タッ・・・タッ・・・タコ?!」
後ろから誰か歩いてきて、彼女に声をかけた。
「危ないですよ。後ろに下がっていてください。」
ユウキは震えながら、なんとか声を絞り出した。
「ハイ・・・」
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