『幽玄鉄道の夜(4)【湯谷温泉の人食い化け猫】』第2章
孤高の天才アーティスト・鬼瓦チヒロが、幽玄鉄道の旅人・草野崇と湯谷温泉で人食い化け猫を目撃するの巻
第2章 会話
草野はチヒロに話しかけた。「鬼瓦チヒロさんですよね。私、実はチヒロさんの大ファンなんです。お会いできて、とても嬉しいです。」
チヒロは少し微笑んで言った。
「ありがとうございます。」
草野は、列車内であまり話しかけてはチヒロさんも迷惑だろうとも思った。
しかし、彼は少々舞い上がっていたので会話を続けた。
「私、幽玄鉄道でこうして旅をするのが楽しみなんです。豊橋駅から乗り込んで、ここまでずっとこの列車に乗ってきたんです。」
チヒロは笑顔で答えた。
「そうなんですか。うらやましいですね。」
草野はチヒロに聞いた。
「チヒロさんは、どちらまで行かれるんですか?」
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