『妖怪保護活動家・氷室忍(6)【妖怪・オッパイ星人】』第5章
妖怪保護活動家・氷室忍が、鳳来寺山で妖怪・オッパイ星人を退治するの巻
第5章 真相
氷室は微笑みながら兵藤に言った。「兵藤、妖怪のブラフを真に受けるなんて、お前らしくもないなぁ。」
兵藤は驚いて言った。
「えっ、じゃあ、あいつは・・・」
氷室は兵藤に説明した。
「末期癌の人間が妖怪と融合したって、10年間も生き長らえることなんて不可能だ。人間・海原龍山は、とっくの昔に死んでいたんだ。あの妖怪と共に残っていたのは、龍山先生の無念の思いだけだと思うよ。そのことは、あの妖怪だった灰の塊を見れば分かるだろう。いくら霊丸が強力だといっても、人間を一瞬で灰にするほどの威力はないからなぁ。」
兵藤はその灰を見つめながら言った。
「なるほど・・・本当に、お前にまた、完全に一本取られたなぁ。」
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