『幽玄鉄道の夜(2)【浜名湖の人食い大うなぎ】』第6章
国民的な人気アーティスト・柴桜コウが、幽玄鉄道の旅人・草野崇と浜名湖で人食い大うなぎを目撃するの巻
第6章 次の駅へ
コウがつぶやいた。「本当にびっくりしました。」
草野は言った。
「本当に驚きました。逃げ遅れていたら、あの大うなぎに食べられていましたね・・・」
コウは神妙な面持ちで草野に聞いた。
「あんな大うなぎが出没するなんて・・・草野さん、あれは一体なんだったんでしょうか?」
草野は真面目な顔で答えた。
「今まで、無数のうなぎたちが人間に食べられてきました。そして、とうとう人間を食べるうなぎが現れたんです。恐ろしいことになりました。」
コウは草野に言った。
「私、浜名湖のホテルで一泊するつもりだったんですけど、次の駅で降りてホテルを探すことにします。」
「その方がいいでしょう。私はこのまま旅を続けます。また幽玄鉄道でお会いすることがあるかもしれませんね。」
草野は、列車の窓から浜名湖を眺めていた。
月明かりでキラキラ輝く水面は本当に美しく、幻想的な雰囲気を醸し出していた。
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