『魔獣送還師・柊慎一郎(6)【鱶津エリ(?)編】』第3章
魔獣送還師・柊慎一郎が女優・鱶津エリ(?)の前で、豊川のイオンに出没したケルベロスを退治するの巻
第3章 悪魔の言い分
エリは妖しく微笑みながら言った。「さっきの魔法で、ケルベロスみたいに私を切り刻むんですか?こわーーい!でも、いいんですか?私がここで死んだら、榊原はズーーーーッと永久に魔界から帰還できませんよ。」
柊はあくまで冷静に答えた。
「悪魔と契約するような人間に同情の余地はない。自業自得だ。」
エリはニヤニヤしながら言った。驚くべきことに、エリの口から聞こえるのは榊原の声だった。
「柊君、私は過ちを犯した。許してくれ。私を助けてくれ!」
エリは相変わらずニヤニヤしながら、別人の声で言った。
「柊さん、助けて!私は鱶津エリです。この悪魔に体を乗っ取られているんです。」
エリは元の声で冷たく言い放った。
「あなた、どうするの?」
・『魔獣送還師・柊慎一郎(6)【鱶津エリ(?)編】』目次に戻る。