『エスパー・伊藤六郎(3)【弘末リョウコ編】』第4章
エスパー・伊藤六郎が新東名高速道路の事故で、国民的な人気女優・弘末リョウコと出会うの巻
第4章 リョウコの選択
リョウコも微笑んで伊藤に言った。「伊藤さん、あなたも素敵な人ですよ。本当は私、あなたと一緒に逃げ続けたい。いつまでも、どこまでも・・・」
救急車やパトカーのサイレンが聞こえてきた。事故の通報を受けて、やって来たのだろう。
伊藤は彼女に言った。
「リョウコさん、またどこかで会いましょう。それではまた。」
伊藤は足早に去っていった。リョウコは、事故現場に向かってくる救急車やパトカーを見つめながら言った。
「事故についてうまく説明しないと・・・」
彼女は気づいていなかった。
失神した研究所の追手の一人が、意識を回復して立ち上がり、伊藤の後を追っていたことに。
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