『魔獣送還師・柊慎一郎(1)【菱田ユリコ編】』第1章
魔獣送還師・柊慎一郎が女優・菱田ユリコの前で、豊橋のまちなか広場に出没した巨大熊を送還するの巻
第1章 まちなか広場
菱田ユリコは女優である。若い頃は、同じく女優である妹と共に、芸能界の美人姉妹ともてはやされたものだった。
彼女は今、豊橋を旅行中である。
地方都市で生活する知人の影響で、彼女は地方移住を検討していた。
その有力候補地の一つが、東京から新幹線で行くことができる東海地方の中核市、この豊橋市だった。
ユリコはカフェで朝食をとり、イベント開催中のまちなか広場をぶらぶら歩いていた。
「いい街なんだけど・・・」
ユリコは全国のいろいろな地方都市を旅してきた。
どの街もそれぞれ特色があり、一長一短で、いろいろ見すぎて、考えすぎて、どの街にしようか分からなくなってしまった。
「キャーー!!!」
その時、広場の奥から悲鳴が聞こえた。
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