『魔獣送還師・柊慎一郎(3)【酒本フユミ編】』第2章
魔獣送還師・柊慎一郎が演歌歌手・酒本フユミの前で、豊根に出没した3頭の巨大オオカミを送還するの巻
第2章 3頭の巨大オオカミ
フユミは考え事をしながら、ぼんやり山々を眺めていた。向こうの方から、何かが歩いてくるのが見えた。
「あれは何だろう・・・イノシシかな?」
動物が3頭、こちらに向かって歩いてくる。
近付くにつれて、それらが意外と大きいことが分かった。
「あれって・・・オオカミ?」
巨大なオオカミが3頭、こちらにどんどん近付いてくる。
オオカミは自動車よりも大きかった。
自動車よりも大きなオオカミが3頭、目を赤く光らせながら、フユミに向かって歩いてくる。
「どうしよう・・・」
フユミは狼狽し、どうしたらよいのか分からなかった。
「建物の中に逃げて、みんなに知らせて、警察に電話して・・・」
頭の中でいろいろ考えることはできるのだけれど、恐怖のあまり体が動かない。
動いたりしたら、オオカミたちが走って追いかけてくるのではないか・・・そんな恐怖にとらわれていた。
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