『果てしなきスターレット(1)【上黒石モネ編】』第5章
人気女優・上黒石モネが大須商店街で、緋色のスターレットによるひき逃げ事件を目撃するの巻
第5章 謎の警察官
モネは救急・警察に電話して、通りの端で待っていた。向こうから一人の警察官が歩いてきた。モネは警察官に話しかけた。
「もう来てくれたんですね!私、先ほど通報した者です。車が突っ込んできて、みんな跳ね飛ばされてしまって・・・」
警察官は彼女の話を遮って言った。
「私はこの時代の警察官ではありません。ひき逃げとかはどうでもいいんです。あなたが見たのは緋色のスターレットですね?」
モネは小さな声で答えた。
「・・・はい。あのー・・・」
彼はモネを無視して、ハンズフリーで誰かと話している。
「はい、間に合いませんでした。加賀美がどこへ行ったか、もう一度解析お願いします。」
そう言った後に、警察官は腕のスマートウォッチを操作した。すると彼の姿は、一瞬で煙のように消えてしまった。
「えっ?!」
モネは驚いて立ち尽くしていた。やがて救急車やパトカーのサイレンが聞こえてきた。
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