『東三河今昔【創作】物語集(10)【水守カオリ編】』第4章
東三河の文化会館でコンサートを開催するご当地ソングの女王が、豊川で河童にさらわれたけれど霊能探偵に救出されるの巻
第4章 イベント当日
豊川でのイベント当日、神谷は会場の近くで警備をしていた。イベントは1時間弱なので、その間だけ緊張して警備するだけである。
何も起こらなければ退屈な仕事である。イベント開始から30分ほど経った頃である。
バッシャァアアーーーーン!!!
豊川の水面が不自然に揺らいだ次の瞬間、轟音とともに川からものすごい水しぶきが上がった。
イベント参加者は全員、ずぶ濡れとなってしまった。やや経ってから会場が騒がしくなった。
「どうしたんですか?」
慌てて駆けつけた神谷が聞くと、岸田が泣きそうな顔で答えた。
「水守さんがいないんです!消えてしまった!!きっとあの時、河童にさらわれたんです!!!」
神谷は急いで川岸に走っていった。彼の後を追ってきた岸田が大声で言った。
「神谷さん!どうしましょう!!どうするんですか!!!」
神谷は岸田をなだめながら言った。
「大丈夫です、岸田さん。落ち着いてください。」
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