『東三河今昔【創作】物語集(10)【水守カオリ編】』第5章
東三河の文化会館でコンサートを開催するご当地ソングの女王が、豊川で河童にさらわれたけれど霊能探偵に救出されるの巻
第5章 水面師の技
神谷は豊川の水面に手を着けた。「この川の水を通して命ずる。水の魔獣よ!さらわれた女を救え!!」
すると水面に大きな黒い影が現れ、そこから大きな水龍が現れた。
神谷は水面師の技も使えるのだ。岸田は驚いて言った。
「こっ・・・これは、龍神様?!」
「水守さんのところまで、こいつに導いてもらいましょう。河童も水龍の前では無力です。」
神谷は岸田を水龍の背に乗せてから自分も跳び乗り、水龍に向かって言った。
「さらわれた女のところまで案内せよ!」
二人を乗せた水龍はものすごいスピードで泳いでいった。
しばらくすると、向こうの岸辺に人影が見えた。大人の女性と子どものようだ。
近付いて見ると、女性はカオリだった。岸田が彼女に向かって叫んだ。
「大丈夫ですかぁああーーー!!」
カオリは手を振っている。神谷は安堵して言った。
「よかった!無事だったようですね。」
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