『東三河今昔【創作】物語集(10)【水守カオリ編】』第2章
東三河の文化会館でコンサートを開催するご当地ソングの女王が、豊川で河童にさらわれたけれど霊能探偵に救出されるの巻
第2章 河童狩り
神谷は首を傾げて岸田に聞いた。「しかし・・・釈迦に説法みたいな話をして恐縮なんですが、県内の河童は絶滅したと、随分前に宣言されましたよね。愛知県令の指示により、県警指揮下の武装警察が総動員で、徹底的な河童狩りを行ったと聞いたことがあります。県令は、県内の全河川の河床をさらって調査させたと豪語したとか。」
岸田は頷いて言った。
「はい、そのとおりです。ですが万が一ということもあります。実は来週、文化会館で水守カオリさんのコンサートがあるんです。」
神谷は驚いて言った。
「あのご当地ソングの女王が来るんですか!すごいですね。」
岸田は真面目な顔で話を続けた。
「はい。それでそのコンサートの前日に水守さんを豊川に招いて、漁協の理事たちがおもてなしイベントを開催することになっているんです。」
神谷も真面目な顔で岸田に聞いた。
「それなら、事情を説明して、豊川でのイベントは中止すればいいじゃないですか?」
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