『東三河今昔【創作】物語集(11)【朝火ナオ編】』第1章
謎の火炎師・朝火ナオが東三河のとある集落で秘密儀式・火おんどりを執行し、伝説の不死鳥・フェニックスを召喚するの巻
第1章 火炎師
今は昔、東三河には火炎師がたくさんいた。火炎師は火属性の魔獣を使役する魔導師である。東三河は江戸時代以来、火薬の製造を特別に許可された地方であり、火炎術の使い手も大勢いた。
しかし、近代以降、国民国家となった日本は富国強兵に邁進し、西洋的な軍事制度の整備を進めてきた。
創設された陸軍や海軍の軍備はもちろん、近代兵器である。
火炎師の術は法律で禁止され、東三河の火炎師も廃業を余儀なくされた。
東三河の霊能探偵・神谷龍之心は警察官・水島と話していた。
水島はとある集落にある駐在所の、いわゆる駐在さんである。
「水島さん。それで、その火おんどりという儀式が行われるという噂は本当なんですか?」
神谷がそう言うと、水島は改めて説明した。
「はい。噂というよりも、内偵によってつかんだ確かな情報です。儀式が執り行われる日時も決まっているようです。」
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