『東三河今昔【創作】物語集(11)【朝火ナオ編】』第5章
謎の火炎師・朝火ナオが東三河のとある集落で秘密儀式・火おんどりを執行し、伝説の不死鳥・フェニックスを召喚するの巻
第5章 フェニックス
ナオはやぐらの炎に両手をかざして呪文を詠唱した。その瞬間、やぐらの炎が一層燃え上がった。大きく、高く燃え上がった炎の様子は、まるで赤い舌が夜空を舐めているかのようだった。
やがて、その炎の中から大きな火の鳥が現れた。炎の中で再生を繰り返す伝説の不死鳥・フェニックスである。
儀式の参加者たちはフェニックスの召喚に歓声を上げ、夜空に舞うフェニックスを見上げて拝んでいた。
参加者A「私たちは、この時を待ち望んでいたのです。」
参加者B「さぁ、祈りましょう!」
参加者C「時が満ちたのです。」
参加者D「今、ここに目覚めし奇跡。」
参加者E「天空を司る神の鳥よ!」
参加者F「舞い上がれ、どこまでも!!」
会場に向かって走っていた神谷は、これを見て途中で立ち止まった。
水島も途中で立ち止まり、夜空を優雅に舞うフェニックスを呆然と見つめていた。神谷は考えあぐねていた。
「フェニックスを召喚する術なんて、聞いたことがない。あんなもの、何のために召喚したんだ?目的は・・・いや、フェニックスの召喚自体が目的なのか。それで、あのフェニックス・・・どうしたらいいんだ?」
水島は神谷を見つめながら言った。
「どうしましょう?まさかフェニックスが現れるなんて。どうしたらいいんですか?」
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