『東三河今昔【創作】物語集(11)【朝火ナオ編】』第3章
謎の火炎師・朝火ナオが東三河のとある集落で秘密儀式・火おんどりを執行し、伝説の不死鳥・フェニックスを召喚するの巻
第3章 儀式当日
火おんどりの儀式が執行される当日、水島と神谷はその会場から少し離れた場所から遠巻きに監視していた。日が暮れてから時が経ち、辺りは徐々に暗くなってきた。
しばらく監視を続けていると、儀式の参加者たちが続々と集まってきた。
やがて、白装束に身を包む一人の美しい女性が現れた。神谷が水島に言った。
「水島さん。あれが例の巫女様でしょうか?」
水島が振り向いて答えた。
「えぇ、恐らく。ここからだとはっきり見えないので、確証はありませんが。」
神谷は考えながら言った。
「どうしましょうか。もう少し近付きましょうか。でも、気付かれたらまずいですよね。儀式が始まるのを待たないと。連中はまだ、何もしていないわけですから。」
水島は自信なさげに言った。
「そうですね・・・しかし、儀式が始まったら、何が起こるんでしょうか?秘密の儀式なんで、詳しい内容はよく分からないんです。ただ、彼女が火炎師で、禁止された術を使うのは確かなんですが。」
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