『東三河今昔【創作】物語集(12)【玉林編】』第2章
乳岩峡でハイキングしていた人気タレント・玉林が痴漢に遭い、地元の人間と霊能探偵が犯人を逮捕するの巻
第2章 霊能事件
神谷は亀頭に説明した。「亀頭さんのおっしゃる通り霊能事件だとしても、それがどのような現象なのかは、お話を聞いただけでは分かりません。怨念、悪霊、妖怪・・・亀頭さんのお話を嘘だと決めつけて、バカにしているわけではありません。私は一応、霊能探偵ですから。」
亀頭は少し落ち着いて言った。
「神谷さんなら分かっていただけると思いました。とにかく、現場を見に来てくださいませんか?霊感がある方なら何か分かると思うんです。私が万事、ご案内いたしますから。」
神谷はあまり気乗りしなかったが、断る理由もないので引き受けることにした。
「はぁ・・・分かりました。とりあえず、見に行きましょうか。」
警察署や役場で相手にされなかった亀頭は、神谷が自分を信じて現場まで来てくれるというだけで喜んだ。
「ありがとうございます!街の霊能探偵が来てくれれば心強いです。私の話を信じないでバカにしている連中も、そのうち目を覚ますでしょう。」
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