『東三河今昔【創作】物語集(12)【玉林編】』第6章
乳岩峡でハイキングしていた人気タレント・玉林が痴漢に遭い、地元の人間と霊能探偵が犯人を逮捕するの巻
第6章 霊能力者
亀頭は犯人の顔から般若の面を外した。犯人は普通の男性だった。亀頭が大声で犯人に言った。「何でこんなことをしたんだ!」
犯人は小さな声で言った。
「どうしても・・・我慢できなかったんだ。」
神谷は亀頭に説明した。
「亀頭さんの言うとおり、確かに乳岩峡、特に乳岩から、普通と比べると少し強力な霊的エネルギーが感じられます。」
亀頭は得意げに言った。
「そうでしょう!私の言ったとおりだ。私の勘は間違いじゃなかった!!」
神谷は説明を続けた。
「しかし、そのことを警察署や役場の連中に言っても信じてもらえないでしょう。私が話したとしても、怪しい自称霊能力者扱いされるだけです。」
亀頭はがっかりして言った。
「そんな・・・」
神谷は亀頭に言った。
「霊能事件ではよくあることです。この犯人もただの変質者として処理されるでしょう。乳岩のせいにするなと怒られて。」
冷たい風が乳岩峡を吹き抜ける。東三河は今、暖かいオッパイが恋しい季節だった。
・『東三河今昔【創作】物語集(12)【玉林編】』目次に戻る。